あらすじ

――――― 雲間から一条の光が落ちる。ウォセカムイはそこから見える薄い色の空を見上げた。  姿が見えれば嬉しかった。  側に居られれば安心できた。  日がな一日何もしなくても癒された。  種族こそ違っていたけれど、確かに友と呼べる縁を結んでいた。  だがあの頃には、もう戻れない。そうウォセカムイは悟った。―――――  大晦日の年越大祓で『聲』による祝詞奏上を瀬織津媛から強制されたために声が出なくなってしまった幸紘。その様子を動画サイトに掲載されたため、年明けは大賑わいになったが、まったく役に立たずに思いがけない完全休暇となる。  そんな幸紘は自分の失われた半身を求めて八津山に住む金の狼に会いに行く。しかしそこで出会ったのは蛟とは別行動中の早瀬川の主だった。  幸紘は彼と金の狼から、自らが失った『命』の記録と『清』の気が引き継ぐ『疵』について知ることになる。 ※この小説は現実世界に寄せてますが設定はまるっとフィクションです。実在の人物や団体などとは関係ありません。

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