あらすじ
――――― 幸紘の手が神様の頬に触れる。澄んだ水底を思わせる黒緑の瞳と幸紘の月食色の瞳が繋がる。
なんて愛しく、悲しく、優しい瞳だろう。
神様は幸紘の瞳を見てそう思った。
「神様、ありがとう。俺を人間にしてくれて」
「……ユ……キ」
「俺ね、一二〇年前の『あの時』、少しくらい人の姿になれる方法を練習しておけばよかったって、思ってたんですよ」―――――
季節は初夏六月。
誰にも明かさないまま、山津大神としての御霊を取り戻した幸紘。それから七年の月日がたっていた。といってもこれといった実感もなく日々神職としてお勤めを果たしている。
そんな中、日本の各地で頻繁に地震が起こるようになっていた。常とは違うと感じた瀬織津媛が神様に調べさせたところ、日本の根に宿る終末の獣なゐの神の封印が緩んでいることが明らかになる。
背後ではなゐの神を利用して常世の国を顕現させようとする日河比売と蛟の暗躍があった。
淵上を舞台として再び神々の戦争が始まる。その中で幸紘は、神様は、最善の未来に向けて、それぞれ究極の選択に直面することになる。
完結編です。
※この小説は現実世界に寄せてますが設定はまるっとフィクションです。実在の人物や団体などとは関係ありません。