あらすじ
―――――瀬織津媛の目玉が幸紘の眼前まで迫り、くぱっと下方に開いた口から淡々と言い放った。
「オトシマエをつけるのは当然だろう?」
「俺は……求めていないっ……」
「お前が求めようと求めまいとそんなことは俺には関係ない。お前はこの神社を継ぐと決めた。お前は自分が受け入れるものの事しか思い至らなかったようだが、柵はこの土地と人を背負うだけではない。我らも背負うのだ。我ら神の正義と、覚悟と、庇護と、神威もな。神職はそれらと縁を結ぶことで、力をつけるのよ」―――――
誰のためでもなく自分のために実家を継ぐ覚悟を決めた幸紘。
一方で神様は謎の体調不良で弱り切っていた。幸紘は神様を助けるために力量不足な自分自身と向き合い、赤石建設による土地開発顛末を通じて自分が背負う淵上の土地の歴史と、神職の責務と覚悟の本当の意味について少しずつ知っていくことになる。
※この小説は現実世界に寄せてますが設定はまるっとフィクションです。実在の人物や団体などとは関係ありません。