あらすじ

三十代ともなると幼い頃の記憶なんて、あやふやなものだ。「お前ってこうだったよな」と人から言われても、それが本当に自分のことだったのか、確信が持てなかったりする。 もっとも、そういう話はたいていどうでもいいことばかりなので、いちいち真相を突き止める必要もない。困ったように笑って、「ああ、そうだったっけなあ」と相槌を打っておくのが一番楽だ。 特に、実家に帰省して母の昔話に耳を傾けているときなんかは。 「幼稚園の行事で、サツマイモ掘りに行った帰り、あんた熱出してさあ――」 「ああ、うん、うん」

連載情報

ウェブ小説

配信言語