小説を読もう2025/10/02
あらすじ
三十代ともなると幼い頃の記憶なんて、あやふやなものだ。「お前ってこうだったよな」と人から言われても、それが本当に自分のことだったのか、確信が持てなかったりする。
もっとも、そういう話はたいていどうでもいいことばかりなので、いちいち真相を突き止める必要もない。困ったように笑って、「ああ、そうだったっけなあ」と相槌を打っておくのが一番楽だ。
特に、実家に帰省して母の昔話に耳を傾けているときなんかは。
「幼稚園の行事で、サツマイモ掘りに行った帰り、あんた熱出してさあ――」
「ああ、うん、うん」
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