あらすじ
神仏妖異入り乱れ、人間と共に暮らす和の大陸・和深。
戦国乱世を経て、時は天下武技の“戦極”時代。──織田家が大陸の天下を取って、幕府を開いて三〇〇年余り。
和深暦一八六三年。幕末の和深大陸。
異人と共にもたらされた疫病「虎狼痢(ころり)」が猛威を振るい、信仰を捨て南蛮貿易を重視し、神仏を愚弄するかのような振る舞いを取り始めた織田幕府に対し、大陸の東部勢力がきな臭い暗躍をし始めている時代。
──その昔、榁町時代に端を発する対織田家の裏稼業人集団があった。
凶兆とされる双子を鍛え、二刀一対、以心伝心の仕事人に仕立てたことに端を発する戦闘集団「双ツ刀」。
半妖同士の双ツ刀、剋舟(こくしゅう)と荒鱗(こうりん)は、双子ではないが長らく同じ時を過ごした、互いを互いの半身とするほどの仲だった。
同郷の出で、織田に焼かれた小藩の村の生き残り同士──彼らの行動原理、その全ては、織田を討つためにあった。
あるとき、二人の師・出灰(いずりは)は初任務の命令を下す。
「織田軍の前線拠点に潜入し、密書を奪取せよ」──と。
血縁のない、しかし、奇妙な因縁で繋がれた二人は、やがて討幕へと繋がる時代の激流へ飲み込まれていく──。