あらすじ
二刀一対の仕事人──「双ツ刀」。
凶兆とされる双子を鍛え、以心伝心の仕事人として鍛える里が、人知れず存在していた。
幕末の和深大陸、異人と共にもたらされた疫病「虎狼痢(ころり)」が猛威を振るい、神を愚弄するかのような振る舞いを取り始めた織田幕府に対し、大陸の東部勢力がきな臭い暗躍をし始めている時代。
片割れを亡くした双ツ刀──独ツ刀として生き延びてきた白雪(しらゆき)は、ある時一人の少年の愛刀として任命される。
少年の名は黒継(くろつぐ)。双ツ刀たちのための武器を密造する黒継村の唯一の生き残りであり、織田幕府に全てを奪われた十六歳の若者だった。
黒継は織田への「人誅」のための力を欲し、同じく織田に双子の兄を奪われた白雪にも、通ずる事情があった。
二人の師・出灰(いずりは)は早速命令を下す。
「織田軍の前線拠点に潜入し、密書を奪取せよ」──と。
血縁のない、しかし、奇妙な因縁で繋がれた二人は、やがて討幕へと繋がる時代の激流へ飲み込まれていく──。