あらすじ
「メアリー、いったい何度言ったらわかってくれるんだ…」
またこれだ…私の婚約者であるエインドは、何よりも自身の妹であるレリアを優先する。
「レリアが僕に来てほしいと言っているんだ。あんなにかわいい妹の頼みを断れる兄なんているはずがないだろう?…君ならきっとわかってくれると思っていたのに…」
身勝手に予定を変更しておいて、理解力が足らない私に非があると言いたげな表情と言動だ。
…けれど、今度という今度は私も限界だ。
「…エインド様、これ以上彼女に肩入れをされるのでしたら」
「…?」
私の反論がやや意外であったのか、彼は少し驚いたような表情を浮かべる。しかし私の前でそんな表情を浮かべるのはプライドが許さなかったのか、すぐにいつもの堅苦しい表情に戻った。
「はあ??お前が僕に意見をするのか?一体いつからお前はそんなに偉くなったんだ?」
「…」
突然高圧的な態度と口調で私を威圧するエインド。
私はしばらく言葉を返さず、重い沈黙が私たちの間を包んだ。
「はあ…なんだか気持ちが覚めてしまったな…もういいよ、出ていきたまえ」
エインドの口から発せられたのは、突然の婚約破棄であった。