あらすじ
私の居場所なんて、どこにもなかった。
「リティーアナ、あなた姉なのでしょう?ならあなたが我慢しないとだめじゃない。アリアは病弱でたくさんの事を我慢しているのに、どうしてあなたは彼女を見習おうとしないの?」
私の妹であるアリアは、病弱を装って周囲の人々を味方につけ、一方的に私に対する包囲網を形成していった。
「…リティーアナ、あなたに頼みがあるの。これは彼女からの頼みでもあるのだけれど、ある人と婚約をしてもらいたいの…」
最近になっては、婚約までも私は押し付けられるほどになってしまっていた。…私の歪む表情を見ることが、彼女の何よりの楽しみなようだった。
「お姉様、ご婚約おめでとうございます。ブレスト様は心優しい方で、経済的な力も非常に強いと伺っております。お姉様にこの上ないくらいふさわしい方だと私は確信しておりますわ」
言葉ではそう言うものの、彼女の真意を私は知っている。…確かに彼は経済的に強い人物ではあるけれど、それと同じくらい素性が荒い人物なのだ。
「…くすくす…お姉様、もう逃げられませんよ?婚約はもう決まってしまったのですから、今更取り消すことなどできません。…これからもせいぜい私を楽しませてくださいませ?」
――家出、出会い――