あらすじ
第一部で“寧”の騒ぎはひとまず収まった――はずだった。
けれど宮も町も、綺麗に片づいた後ほど怖い。消えた人、すり替わった帳面、そして同じ方向に欠けた紙角。
妃候補のふりで入宮した楊妙妙は、皇帝・周曜衡の“裏の護衛”として、次の糸口を追い始める。
手がかりは二つ。
ひとつは「香」。嘘も罪も、匂いだけは誤魔化せない。
もうひとつは「路」。銀、帳簿、人の移動――“正しい顔”をした流れの裏に、見えない網がある。
南巡の余韻が残る町で、ふたりは公子と娘みたいに並んで歩き、軽口を叩きながら小さな事件を片づけていく。
けれど甘い灯火の下で拾うのは、いつも誰かの「足りないもの」――そして、誰かがそれを“足りなくした”痕跡。
これは、後宮の外へ伸びた大きな網の入口。
妙妙は“香”で真実を嗅ぎ、周曜衡は“昏いふり”で敵を欺く。
噛み合わないようで噛み合う二人が、次に辿り着くのは――「皇帝の影の内側」で動く手の気配だった。