あらすじ
ある日突然、世界は死んだ。
2026年 元旦
世界が新年を迎え歓喜に包まれていたそんな吉日、唐突に全世界の地表から液状化現象かの如く黒い液体が滲み始めた。
最初、皆はそれらを地球温暖化による海面上昇によって引き起こされた地盤沈下の影響であると考えていたが、実際には違った。
それらの黒液は3日ほど経った後、人の形へと変化し地表を彷徨き始めたのだ。
宇宙人の襲来、新型兵器の暴走、未知のウィルスによる突然変異。様々な憶測と得体の知れない存在への恐怖が瞬く間に世界を支配した。
しかし、最初は何もしてはこなかった。
地表をゾンビの様に彷徨くだけで、生物としての気配は全く無く、無害と言っても良かった。
そう、あの日までは。
当然、この状況を良しとする国は無く、程なくして米軍による捕獲作戦が始まった。
テレビによる生中継の中、最新の武器を装備した精鋭部隊員達が、強固な作りをした箱に黒液体人間を入れようと試みた。
しかし、体全体が箱の中へと入り蓋を閉じたその時、箱の内部から鋭く黒い刃物の様な物が突き出てきた。そして、その黒い刃は箱を一周する様に回ると、箱を上下真っ二つに切断した。
上の部分がずりと落ちるのと同時に、隊員達は隊長の指示の元、装備していたアサルトライフルを使用し銃弾の雨を叩き込んだ。
硝煙が辺りを舞う。
刹那――――――隊員達の体が上下真っ二つに切断された。
そして、怪物の様な低く重い絶叫が響き渡り放送は終了した。
同時刻、世界中にいた黒液人間達の行動に変化が現れた。
そう、一斉に人間を襲い始めたのだ。
ソレは様々な方法で人間を殺した。
黒刃による断殺、腕を鈍器の様な物へと変換させた殴殺、鋭い黒棘による刺殺、巨大な生物の口を腹に生やした喰殺、体全体から黒球を射出した射殺。
まるで、ずっと観察していた人間の行動を模倣しているかの様な攻撃が行われた。
即座に、それぞれの国の軍はこの脅威に対して攻撃を行なった。
しかし、銃火器による攻撃は一切通用しなかった。
液体である事に目をつけ、凍らせたり、蒸発させたり等の作戦が実行されたが、そのどれも効果は薄く、失敗に終わった。
その後も、放射線攻撃、電磁波攻撃、レーザー攻撃、バイオ攻撃と、人類が持つ最新の攻撃兵器もまた悉くが失敗し、絶望という名の暗雲が世界を覆い隠そうとした。
しかし、ある米科学者が、黒液人間から分泌された細胞を調べていたところ、未知のウィルスの存在を発見した。
科学者はそれを【|混沌《カオス》細胞】と命名し全世界へと公開した。
そして、世界中で様々な実験が行われ対抗策の模索が行われたが、現存する方法での解決策は直ぐには見つからなかった。
そして、黒液人間が発生してから3ヶ月後、人類の人口が3割をきった時、最初に【|混沌《カオス》細胞】を発見した米科学者の体に変化が訪れた。
突然、掌から炎が噴出したのだ。
その炎は偶然【|混沌《カオス》細胞】へとふりかかり、それを消滅させた。
光明。
絶滅に瀕した人類にとって、それは反撃の狼煙となった。
この日を境に、未知の怪物【混沌の使者|《フォーリナー》】と、それに唯一対抗できる力を持つ適合者【|反抗者《リベル》】の戦いが始まった。