あらすじ
不渡り寸前の社長・中原。窮地を脱するため、彼は高額当選した宝くじの現金を、会社の「血液」として銀行の貸金庫に隠蔽する「最初の嘘」をつく。その瞬間、彼の長年の倫理観は音を立てて融解した。
一方、その金を預かる銀行員・西尾もまた、FX取引で全てを失いかけていた。中原の自己欺瞞は、西尾の心の「倫理の錆び」を刺激し、「銀行員としての信用」を一気に溶解(メルト・ダウン)させる。
西尾が盗み出した数億円は、相場によって瞬時に「物理的に融解」し消滅する。
しかし、債務整理のプロ・黒沼は断定する。「金は必ず残る。それは新しい嘘だ。」
金は消滅した。だが、誰もそれを信じない。
真実さえもが嘘として一蹴される地獄の連鎖は、人間の根源的な自己欺瞞から始まったのか? 現代の業と、終わらない追跡を描く、緊迫のヒューマンドラマ。