あらすじ

竹やぶに一億円の現金が入った鞄が遺棄されるという風変わりな事件が、ワイドショーを賑わせていた。不況の中で、金に飢えている一般庶民は皆、この目新しい珍事に気を取られ、注目していた。私は自分の職務や家族との生活を重要視する立場から、この問題の一切をあえて軽視しようとしていた。しかし、ある朝、この私自身も、自宅近くのゴミ捨て場において、大量の札束の詰まったトランクを五つも発見することになってしまう……。警察に届け出れば、幾分かのお礼はもらえるのだろうが、自分の家族のプライバシーが世間に晒されることになってしまう。かといって、このまま数億円の大金を見限って、知らんふりを決め込むのも悔いが残る気はする……。自分の個人情報をマスコミから守るために金欲を捨てるのか、それとも、大金を着服することで、悪徳に身を染めるのか。私は数日感の熟慮の結果、これを警察に届ける決心を固めるのだが……。

連載情報

ウェブ小説

配信言語
エブリスタ
エブリスタ2021/03/27
  • 現在の作品拾えない札束