あらすじ
愛せば死ぬ──その呪いを抱え彼女は千年の間この書庫の塔で生きてきた。
孤独な三人の温かくほろ苦いに涙するだろう。
千年を生きる長命種のサエラ。
彼女の一族は「誰かを愛せば死ぬ」という呪いが刻まれていた。
そしてサエラ以外はとっくに死に絶えた。
愛したが故に。
愛を知らず、生きることを選んだ彼女は、この国の王家の伝記を綴りながら喜びも温もりも遠ざけてきた。
そんなサエラに無邪気に寄り添うノエル。
サエラの手伝いとして時折、引き取られる元孤児。
彼らは駒鳥と呼ばれ、大人になるとサエラ自身によって忘却の魔法をかけられ塔での生活を忘れる。ノエルはそれでもサエラを慕う。
そこへやってきたのは、戦を終わらせた前王ヴァローク。
英雄でありながら突然の病で亡くなった兄の後を継いだ自らを「仮の王」と呼び、戦の罪の影に沈んでいる。
素朴な決して豪華ではない、蜂蜜パンやスープを共に食べる。言葉は少なくても心が繋がっていく。
罪悪感を背負う二人の孤独な大人と、ひたむきな少年一人の愛おしく切ない生活。
不器用な二人の唯一の恋。
愛は苦しみか、それとも祝福か──