あらすじ

大学生の琴巴は、母に呼び戻され故郷の土蔵整理を手伝うことになる。 夜、かつての机の引き出しから、明治三十七年の日付を持つ古い日記を見つける。 そこには、娘を失った母の嘆きと、やがて“虎”へと変じていく己の記録が綴られていた。 読むうちに琴巴の胸に奇妙な熱と鼓動が宿る。 外で風が唸り、月光が爪痕のように走る――。 生と死、人と獣、母と娘が交わる夜、彼女は「生くること」の恐ろしさと愛おしさに触れる。

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