あらすじ

公爵令嬢セシリアは、王太子への毒殺未遂の罪で追放を宣告された。 侍女長の証言、王太子の症状――証拠は揃っている。 しかし、宮廷医師ヴェルナーは知っていた。 三年間、一字一句嘘のない診断書を書き続けてきた。 その記録が示す真実は、彼女の無実だけではなかった。 「診断書第四百七十三号――これが全ての答えです」 革表紙の記録を開くと、そこには王太子の三年間の全てが記されていた。 食べ過ぎによる胃腸炎、薬草茶による改善、そして――毒。 だが、真実はまだ続きがある。 セシリアの告白、リリアナの涙、そして善意のすれ違い。 診断書は、ただの医療記録ではなかった。

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