あらすじ
名を与えられることで消滅の危機を脱する、かつて神であったモノたち──「外天」。名を得た彼らを、妖異、妖怪……「アヤカシ」と呼んだ。
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彼らは名を得ることで世界に縁(よすが)を刻み、人の心に己という因縁を残すことで存在を確定させることができた。
天文年間、現在の愛知県で起きた道目記合戦──記録に残らぬある女武士が、尾張の軍勢を前に敗れた。
戦場で死体を犯されたその怨念は名を持たぬ「外天」へと変貌した。
外天の女は長い時を生き、時代を渡り、御一新の後──とある村のある少女から朽ち果てることのない名前という意味で、「朽名(くちな)」という名をもらう。
そしてさらに長いときを生きてきた朽名は、あるときその少女の子孫である少年・宵村剋舟(よいむら・こくしゅう)が怪異に襲われている現場を目の当たりにする。
朽名は少年を助け、消えかけている己と因縁を結んでほしいと彼に迫る──かつて愛し、しかし、女同士の契りなど赦されぬ時代の無念を晴らさんとするかのように……。