あらすじ

すべてが数字と法則で制御できる――写真だけが、僕の世界だった。 主人公・**月岡凪(つきおか なぎ)**は、感情を嫌い、論理と平穏を愛する高校生。 彼にとって写真は、移ろいやすい世界を完璧に「記録」するための、唯一絶対の手段だった。 そんな彼の日常は、一枚の“失敗写真”から、少しずつピントがずれていく。 きっかけは、ミステリアスな少女・**霞沢詩織(かすみざわ しおり)**との出会い。 彼女に導かれ、凪が足を踏み入れたのは、取り壊し寸前の旧校舎にひっそりと存在する『風景保存協会』。 そこは、消えゆく風景を愛し、それぞれの方法で“弔う”風変わりな仲間たちの聖域だった。 音、ミニチュア、言葉、そして写真――。 完璧な記録(パンフォーカス)と、不完全な記憶(ハレーション)。 仲間たちとの交流を通して、凪はファインダー越しに見つめる世界の、本当の姿を知っていく。 これは、不器用な少年少女が織りなす、鮮明な友情と、光が滲むように切ない恋心の物語。 【メインキャラクター】 月岡 凪(つきおか なぎ) 《孤高の写真少年》 本作の主人公。感情を排した完璧な「記録」としての写真を信条とする。風景保存協会との出会いで、その価値観を根底から揺さぶられていく。 霞沢 詩織(かすみざわ しおり) 《儚い記憶の紡ぎ手》 消えゆく記憶を、詩や言葉で繋ぎとめるミステリアスな少女。その儚げな存在が、凪を未知の世界へと引き込む。 木村 彩良(きむら さら) 《太陽のジオラマ作家》 失われゆく風景を、太陽のような笑顔と精巧なジオラマで再現する協会のムードメーカー。メンバーの心を繋ぐ感情的な支柱。 雨宮 響(あまみや ひびき) 《静寂を愛する音の収集家》 鋭敏すぎる聴覚を持つ少年。ヘッドホンで世界から身を守りつつ、消えゆく「音」だけをフィールドレコーディングで記録する。 星野 栞(ほしの しおり) 《物静かな協会の創設者》 3年生の先輩。古書とほうじ茶を愛し、膨大な知識と文学的な視点で、風景に眠る「物語」を読み解く、協会の理念の礎。

連載情報

ウェブ小説

配信言語
小説を読もう
小説を読もう2025/09/18
  • 現在の作品ハレーション・スケープ