あらすじ
「お前は英雄にはなれない」
怪物を狩る英雄『地球防衛隊』。その養成所で、僕はずっと落ちこぼれだった。
生まれながらに異能を持つエリート『アース』の幼馴染たちに囲まれ、何の力も持たない僕は「一般人」と蔑まれる日々。彼らが華々しい討伐訓練に励む中、僕に許されるのは後方支援の座学だけ。血の滲むような努力で知識だけは誰にも負けなかったが、現実は非情だ。「討伐部隊への道は、お前には開かれない」――誰もがそう言った 。
だが、運命は悪戯に微笑む。
実践演習で窮地に陥ったエリートたちを救ったのは、僕が積み上げた膨大な怪物の知識と、誰もが見落とす広い視野だった 。予想外の功績を認められ、僕は異例の抜擢で憧れの討伐部隊へと配属される。しかし、そこで待っていたのは、能力のない者が踏み込むにはあまりに過酷な現実と、新たな絶望だった 。
――そして、僕は出会ってしまった。
絶望の淵で彷徨い着いた廃工場の地下。そこにいたのは、人類が討伐すべき『怪物』とは到底思えない、あまりにも美しく、そして儚い一人の少女 。
彼女と視線が交わった瞬間、僕の信じていた『正義』は、音を立てて崩れ去っていく。
「教えてあげる。この戦争を始めた、本当の怪物が誰なのかを」
彼女の口から語られたのは、英雄たちがひた隠しにしてきた、世界の『真実』。人類こそが最初の侵略者であり、怪物たちは奪われた同胞の『卵』を取り戻すために戦っていたという、衝撃の事実だった 。僕らが信じた正義は、壮大な嘘で塗り固められていたのだ。
仲間か、愛か。人類か、真実か。
究極の選択を迫られた僕が選んだのは、たった一つの答えだった。
「たとえ世界を敵に回しても、仲間を裏切ることになっても、俺は君と未来を掴む」
これは、無能と蔑まれた少年が、愛する少女のために人類を裏切り、世界を滅ぼす物語 。
禁断の真実の果てに、少年が手にするのは希望か、それとも更なる絶望か。
壮絶な裏切りと、残酷なまでに一途な純愛が、今、始まる。