あらすじ

英雄に憧れた。――だが、真の怪物は人間だった。 超常的な力を持つ「アース」が、人類を脅かす怪物と戦う世界。 主人公の 譲(ゆずる)は、類まれな記憶力と分析力を持ちながらも、戦闘能力を持たないただの一般人だ 。ニュースに映る英雄の活躍に胸を躍らせる一方で、アースである幼馴染の 颯太や陽葵との圧倒的な才能の差に、「人生は思い通りにならない」と諦観を抱いていた 。それでもなお、譲は一縷の望みをかけて、エリートアースを養成する地球防衛隊の養成所への扉を叩く 。 しかし、そこは全国から集った才能たちの楽園。大財閥の令嬢で特殊能力を持つ 玲奈や、実力至上主義の剛といった面々に囲まれ、「座学だけできても、現場じゃただの肉塊だ」と嘲笑される日々が始まる 。戦闘訓練では無様に転び、兵器を握れば暴走させる始末 。誰もが彼を「落ちこぼれ」と見なす中、譲は決して腐らなかった。己の武器はただ一つ、その頭脳のみ。徹夜でデータを分析し、個々の能力を最大限に活かす連携作戦を立案 。バラバラだったチームをまとめ上げ、その「机上の空論」が、やがてエリートたちの常識を覆す力となることを証明していく 。 養成所を卒業し、「特別戦術観測員」という前例のない役職で討伐部隊に配属された譲 。だが、本物の戦場は訓練とは比較にならない地獄だった。仲間が目の前で喰われ、怪物が人間の戦術をリアルタイムで学習・進化していく現実に戦慄する 。 そんな絶望のさなか、譲は任務中に地下施設で運命と出会う。 光の中に佇む、銀色の髪を持つ美しい少女 エヴァ 。敵であるはずの彼女は、静かに問いかける。 「なぜ、あなたたちは私たちを殺すの?」 彼女が語り始めたのは、人類の正義が根底から覆る衝撃の真実。戦いの発端は、人類が彼らの未来である「始祖の卵」を盗んだことにある、と 。 信じてきた世界が、音を立てて崩れ落ちていく。本当の敵は、倒すべき悪は、どちらなのか。 かつての仲間との対立、全面戦争への突入、そして防衛隊上層部が画策する恐るべき「人類進化計画」 。譲は、人類への裏切りか、少女との未来か、究極の選択を迫られる。 これは、落ちこぼれと呼ばれた少年が、世界の歪んだ因果に知識と覚悟で挑む、壮大な英雄譚である。

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