あらすじ
202X年、世界各地に突如として「ダンジョン」が出現した。
住宅の押し入れや学校の倉庫、街角の地下からも現れる不可解な空間。内部では怪物や罠が待ち受け、誰もが安易に挑んでは帰ってこない。世界は恐怖と興奮に包まれた。
広島の団地に住む高校二年生・チノ村チー助。
成績は学年トップの“ガリ勉”だが、運動も人付き合いも苦手な「陰キャ」として、教室では孤立していた。そんな彼の部屋の押し入れにも、ある夜ダンジョンの入口が現れる。
恐怖よりも先に芽生えたのは、知的好奇心だった。
チー助は誰よりも早く「ダンジョンを観察・記録・分析する」ことを始める。ノートに通路の構造や魔物の行動を克明に書きとめ、攻略の理論を築いていった。
やがて、その詳細な記録がインターネットで拡散され、専門家や政府関係者からも注目される。
「ダンジョン攻略の理論を築いた高校生」として、無名のガリ勉は一躍、世界に知られる存在となった。
しかし、注目を浴びれば責任も背負う。
「本当に攻略できるのか」と問われ、ついに彼は自らダンジョンに挑む決意を固める。知識と計算だけでは通用しない実戦、仲間との出会い、そして命懸けの選択。
――孤独なガリ勉は、果たして“世界的な探索者”になれるのか。
現実と隣り合わせのダンジョンを舞台に、名もなき少年が歴史に名を刻むまでの物語が始まる。