あらすじ

戦国を駆ける少年たちの、約束と祈り。

それは、言葉にできなかった。
けれど、確かにそこにあった。

時は室町末期。
武と策が生きる術となり、命は政に組み込まれた戦国の世。
忠義が愛よりも重くのしかかる時代を、少年たちはただ生き延びるために剣を握った。

織宮の里に生きる戦忍、結城澄真。
比類なき剣の才を持ちながら、その翠の瞳と栗色の髪のために、孤独と共に育った少年。
目立ちすぎる容姿を隠す仮面をつけて戦場を駆け、手に届かぬ幸せを追い続けている。

澄真の幼馴染であり、武家・望月家の次男、望月魁悠。
冷静で頭脳明晰な彼は、誰にも見せぬ想いを胸に秘めながら、戦の中で澄真を支え続ける。

織宮家の姫君・千世。
身分の壁に縛られながらも、強く気高く、静かに澄真を想いながら剣を振るう。

軽やかな笑みと共に戦を彩る谷河内喜助。
陽気な言葉の裏に、深い孤独を秘めている。

戦火の中で、彼らの絆は言葉を超えて結ばれていく。
報われぬ運命を知りながら、ただ一つの約束を胸に──。

それは、終わらぬ戦の先に灯る、小さな希望の光。

──手にできぬ幸せを影のように追いかけた、言葉にならぬ絆の物語。

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