アルファポリス2023/08/01
あらすじ
1953年3月、ソヴォク連邦最高指導者ディミトリ・ガリェーチンが急死する。
彼が作り上げた共産主義社会は西側諸国の目には完全な独裁体制であり、その抑圧的な体制と個人崇拝は異様なものとして映っていたが、ガリェーチンは共産主義の象徴として諸国家では崇敬され、権力と権威は絶大なものだった。
その偉大なる指導者の死を国民は哀しむ一方で、彼の死により硬直化した社会に変革が起きるのではとないかという期待も生まれていた。
政治局員や軍部など、ガリェーチン体制の維持を望む派閥と体制変換を目論む派閥の権力闘争が起こる。そして、両派閥がガリェーチンのひとり娘であるオリガの支持を取りつけようと画策するが、彼女は父の死後、父の知人たちとは一切距離を置く姿勢を取っていた。
ガリェーチンの国葬後、政治局やNKVDなどがそれぞれの思惑で権力掌握に動く中、オリガは秘かに立てていたある計画を実行に移そうとする。だが、その計画は生前のガリェーチンの忠実な腹心であり、権力争いのトップにいたラヴレンチー・メリアによって頓挫させられる。
「オリガ、私を捨てて自由になれると思っているのかい?」
オリガにとってメリアは、子どもの頃から遊び相手や世話をしてくれた友人であり、叔父のような存在だったが、いかがわしい噂が絶えない人間でもあり、思春期以降は複雑な関係が続いていた。
その後、メリアが所有する別荘に連れて来られ、彼はオリガにこう告げた。「君の人生は、私と共に生涯をかけて作り直していこう」
そんな彼の謎めいた言葉に恐れ戦きながら、オリガとメリアの謎めいた二重生活が始まる。
その一方で、ガリェーチン死後の権力争いは熾烈を極め、彼らの過去が亡霊として自分たちの前に蘇ってくるのだった……。
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