あらすじ
「これを抜けたら僕も、かっこよくなれるかな」
ひょんな勘違いから錆びた剣を抜き、「勇者」になってしまった少年アル 。
彼の武器は、戦闘能力皆無という現実とは裏腹の、底抜けのポジティブさとひたむきさだけ 。
魔王を倒す旅に出た彼が仲間として目を付けたのは、森の奥で『魔女』と恐れられる孤独な少女リナ 。
彼女こそ、かつて自らの強力すぎる魔法で街を焼き尽くし、その罪悪感から心を閉ざした天才魔導士だった 。
人を拒絶するリナに対し、アルは「仲間になってほしいんだ!」と毎日会いに行き、真っ直ぐな言葉をぶつけ続ける 。彼の常識外れの純粋さは、凍てついたリナの心を少しずつ溶かしていく 。
そんな二人の前に、厄災級の黒竜が襲来 。
過去のトラウマに囚われ、力を出せずに絶望するリナに 、アルは彼女を庇って立ち、叫ぶ。
「信じて!君がずっと積み上げてきたその魔法を!大丈夫、君ならできるさ!」
勘違い勇者の絶対的な信頼が、天才魔導士の心を解放し、真の力を目覚めさせる 。
これは、心の支えで仲間を輝かせる、心許なくも誰よりも真摯な勇者の物語 。