あらすじ
の世界では、人も物もすべてが“色”に祝福されて生まれる。炎の赤、癒しの緑、水の青、光の黄……それぞれが特有の力を宿し、属性を持たぬ者は“ただの人”とされる。主人公カイルは、そんな無属性の少年。しかし、彼には誰よりも色を愛する心があった。
育ての親であるドワーフの職人夫婦に囲まれ、装飾と色彩に没頭する日々。工房で宝石の微細な色の揺らぎにときめきながらも、自分に色がないことをどこかで受け入れていた。
ある日、炎朱(えんしゅ)という都市への配送任務を言いつかり、未知の色を探す旅に出るカイル。しかしその途中、突如現れた黒雲と“灰色”の魔物に襲われ、彼の世界は一変する。
意識を失う直前、「実験体、無属性、確保」という謎の言葉。そして彼の中で、誰にも知られていない“忘れられた色”が静かに目覚めはじめていた──。