あらすじ

両親も無くなり孤独に押しつぶされそうな日々を送るこどおじ健太。親の残した小さな家にあるのは、小さな水槽と一匹のミドリフグ「みどりちゃん」だけ。社会から隔絶され、日々を淡々と過ごしていた健太だが、ある日街角で市長候補・天野真里の「私は、敗れた人を見捨てません!」という叫びを耳にする。 半信半疑ながらも投じた一票が、やがて彼の人生を動かし始める。飢えに耐えきれずフグの餌であるクリルを口にした夜、健太は自嘲し、世間の約束を嘘だと諦めかけるが、テレビから再び流れる天野真里の真剣な言葉にもう一度だけ信じてみようと決意する。 社会復帰への小さな一歩として始めた軽作業、公園の清掃…。少しずつ生活は改善し、健太は初めて自分で稼いだお金で「みどりちゃん」にクリルを買う喜びを知る。 しかし、生活が安定したはずの彼の胸には、満たされない新たな孤独が生まれてしまう。その隙間を埋めるため、彼は再び市役所を訪れるが――。 一匹のミドリフグと小さなクリルが繋ぐ、孤独と希望の間で揺れる青年の再生の物語。

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カクヨム
カクヨム2025/07/29
  • 現在の作品クリルひと粒、約束の味