あらすじ
アンティークコレクターであるとともに昆虫マニアでもある富豪、綾部渡の依頼を受けて、柏木はツタンカーメン王の胸飾りのレプリカの完成披露パーティの席上で、スカラベ(ヒジリタマオシコガネ)の生態について講演を行なった。講演後、綾部秘蔵のコレクションである古代中国の副葬品の宝玉、玉蝉(ぎょくせん)が、胸飾りに続いて披露される手はずになっていたが、玉蝉を納めたはずのオルゴール箱はもぬけの殻だった。衆目の中で、犯人は最高級の翡翠の宝玉をまんまと盗み出したのだ。オルゴール箱から香水の香りがすることに気づいた柏木は、思いもよらない方法で犯人を見つけ出すと宣言して周囲を驚かせる。研究室から取り寄せたコガネムシに、犯人を嗅ぎ当てさせるというのだ。そんな警察犬のような真似が、ちっぽけなコガネムシに可能なのだろうか……。
【登場人物/レギュラー】
柏木祐介(三十四歳) 昆虫学者 東京大学応用昆虫研究室の准教授
前園弘(三十二歳) 警視庁の鑑識官
堂島健吾(四十五歳) 警視庁捜査一課の警部補
【登場人物】
綾部渡(三十六歳) 昆虫マニアの宝飾品コレクター
綾部玲香(三十四歳) 渡の妻
萩野浩二(四十歳) アンティークショップの店主
田村義則(四十五歳) 宝飾品コレクター
今野友蔵(六十歳) 銀座の貴金属店の店主
長谷川博人(三十歳) 宝飾デザイナー
剣持耕太郎(六十歳) 日本橋の老舗呉服店の店主 今野の友人
剣持幾代(五十八歳) 耕太郎の妻
宋文堅(四十歳) 中国人 宝飾品ブローカー