あらすじ

「俺、未来から来たんだぜ?」  「何それ…」  「俺とお前は永遠の親友。って言っても、可能性のひとつだけどな?」  菅野拓也はへんなやつだった。  出会った時から、まるで昔から知り合ってたみたいに絡んでくるやつだった。  俺たちは同じ町の、違う地区に住んでいる子供だった。  中学生になるタイミングで同じ学校になり、クラスも同じになった。  拓也は野球が好きだった。  いつかプロ野球選手になるんだって夢見てて、そのために“過去に戻ってきたんだ”って、息巻いてた。  「俺さ、人生をやり直したいんだ。未来じゃお前を殺しちまったけど、この世界じゃ、絶対にそんなことしないから」  「俺を殺した!?」  「ハハッ。まあ笑えない話なんだが、一応言っておく。俺はお前を殺した罪で指名手配になって、逃亡中に死んだ」  「はあ??」  「まあ、大丈夫だ。こっちの世界じゃ、なんの関係もないことだから」  俺を殺した?  最初聞いた時、頭おかしいなって思った。  信じるつもりはなかったし、それは今もだ。  拓也はどこか、他のことは違ってた。  どこか別世界にいるようで、他の子にはない明るさを持ってて。  いつも笑顔を絶やさないやつだった。  いつも、人一倍努力してるやつだった。  拓也の訃報を聞いた時、俺はどうすればいいかわからなかった。  かつて同じグラウンドにいたあの頃のことを思い出して、夏の終わりに蝉時雨が、町のどこかに響いてて。

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エブリスタ
エブリスタ2024/12/29
  • 現在の作品あの頃の僕たちは