あらすじ
──貴方の傷付いた心を癒せるのならば、自分は『代わり』でもいい。
麗国に守護を齎す真竜一族の上位の竜である療は、麗国大司官の長である紫雨と、ある事件をきっかけに一線を越えた。だがそれは想いを交わすのことのない、身体だけの関係だった。
紫雨が真に想う人は二人いる。一人はすでに他界し、もう一人は別の人と結ばれた。
療は自分が彼らの『代わり』なのだと自覚していた。紫雨の傷付いた心を癒やすことが出来るのなら『代わり』でも構わない。
だが彼を想い慕う心は、次第に療を蝕んでいく。
療の黄竜の鱗が一枚、また一枚と剥がれ落ちては黒く染まるのだ。
それは竜の恋病。
治療法はふたつある。
ひとつは想いを叶えること。
もうひとつは『彼が好きだという記憶』を消し去ること。
療の選んだ未来とは──。
人×竜が織り成す、切ない中華風異世界ファンタジー。