あらすじ

雨が降るたびに記憶が逆再生される「時間遡行症候群」を患う高校生・田中ユウ。ある雨の日、彼はコンビニの軒下で見知らぬ少女・アイと出会う。彼女はユウの病気を知っており、「私は明日の君が忘れる人」と謎めいた言葉を残す。雨音とともに記憶がどんどん過去へ巻き戻される中、ユウは断片的な記憶の中で、アイとの出会いを何度も繰り返し思い出す。  やがてユウは、半年前に図書室でアイと出会い、心を通わせていたこと、しかし彼女が突然姿を消し、以降自分の記憶が雨の日に巻き戻るようになったことを思い出す。調べてみてもアイの存在はどこにもなく、彼女はまるで最初からいなかったかのようだった。  三日目の雨の日、アイは「今日で最後」と告げ、ユウに真実を明かす。アイの正体は、二十年後の未来から来た「未来のユウ自身」。未来のユウは孤独と後悔から理想の少女「アイ」の記憶を無意識に作り出し、その記憶の乖離が原因で時間遡行症候群を発症していた。未来のユウは自ら性別を変え、過去に戻って「アイ」として高校時代のユウの前に現れ、理想の存在を現実にしようとしたのだった。  しかし過去を変えすぎると未来が消えてしまうため、アイはユウの前から姿を消し、ユウは病気を発症した。だがこの病気によって、ユウはアイとの記憶を失わずに済み、やがて真実にたどり着くよう仕組まれていた。すべては未来の自分が自分自身を救うための、壮大な時間旅行だった。  アイが消えた後、ユウは過去と向き合い、孤独だった自分を受け入れる。やがて新たな出会いが訪れ、ユウは「アイ」との記憶を胸に、新しい人生を歩み始める。雨はもはや苦しみの象徴ではなく、新しい物語の始まりを告げる音となった――。

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エブリスタ
エブリスタ2025/06/28