あらすじ

舞台は門前町の寂れかけた商店街。堀口彬は、その路地裏で葬儀屋を細々と営んでいる。ある日彬の店に中学時代の恩師・本村公平が終活の相談に訪れた。公平先生はどうやら生前葬を希望しているようなのだが、半年後あっけなく亡くなる。  彬の司会進行で営まれた、ごく一般的な公平の告別式。彬の同窓生でバンド仲間だった井上亘や健介・真弓夫妻も参列するのだが、なぜか健介は途中で帰ってしまう。 同じバンド仲間の慎二の居酒屋で昔話に花を咲かせる彬たち。公平が生前葬をやりたがっていたことを知ると一同も興味津々。 その夜真弓を家に送る途中、彬は夫・健介が勤めていた出版社からリストラされてうつ病になっていたことを知らされる。 後日慎二や亘からも、中年の悩みとも愚痴ともつかぬ話を聞かされる彬。公平先生に先立たれた響子を訪れた際に、恩師が果たし得なかった生前葬を、同窓会形式でできないかと企画する。真弓の実家に引きこもっている健介にもその話を持ち込むが、真弓と違い本人はあまり乗り気ではなさそう。 楽しい葬式…そのために三十五年ぶりのバンドを復活させようとする中年たち。「終活とは終わりを活かすこと、生前葬は再生の儀式」とばかりに意気を上げる。 同窓会を兼ねた合同生前葬が始まるが、健介はひとり控え室に閉じこもってしまう。彬たちは、同窓生と健介に向けて熱演する。ステージに現れた健介は、気のおけない仲間たちの前で、自分の今の状況をカミングアウトする。 果たして、彼らは過去の自分を葬り去り、再生することはできるのか?終りを活かせるのか?地方の名もなき中年たちの「あがき」を描いた物語。

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カクヨム
カクヨム2025/04/04
  • 現在の作品同葬会〈オムニバス短編④〉