あらすじ
「どうか、わたしをゆきくんのお嫁さんにしてください」
「こちらこそ、お願いします。俺と……結婚してください」
――桃娘(とうじょう)。
奴隷や精霊としての逸話を残すが、鬼社会においては、より濃い鬼の子孫を残すために人工的に生み出された、黄金の瞳を持つ娘をそう呼ぶ。そして、桃娘は次代の器を産むこともまた使命であり、役割を終えるとその命を散らしていく。
冬城みことは、当代の桃娘。高校を卒業した今、鬼の元へと嫁ぎその身に課せられた役目を果たさねばならない。
ならば、互いに愛し合える相手がいい。互いに幸せにしたいと想い合える相手がいい。
桃の花が咲き誇る木の下、初恋の相手であり鬼の青年・鬼柳幸斗とみことは互いに求婚し合う。
好きな人との結婚、幸せが約束された結婚。
――そうなる、はずだったのだ。
修羅と呼ばれた男の血を引く娘×修羅と呼ばれた男に育てられた青年の婚姻譚、いざ開幕。