あらすじ

それは、彼女の誕生を寿ぐ、祝福の産声だった。 ――『唯一の交響楽団』に入団するため、楽団専用ホールの最寄り駅に降りたった、十朗(じゅうろう)と巡理(めぐり)。彼ら二人を駅で出迎えたのは、指揮者のステルだった。 彼女に連れられ、楽団の専用ホールに到着した二人は、十朗に酷似した宮川澄(みやがわとおる)や他メンバーに歓迎されるが、二人の正体とは音楽家ではなく、〈イーシァン〉の執行者だった。彼らの本当の仕事とは「この世界に突然現れる仮想世界と、それを出現させる外部世界の住人で〈ドリフター〉と呼ばれる者」を消失・強制送還すること。なぜならば、仮想世界と〈ドリフター〉は、十朗達のすむ「世界」の構成要素、すなわち養分や領域を浸食するものであり、本来完成されていたはずの「世界」の形を変える害以外の何物でもないからだった。そう、『唯一の交響楽団』というのは、楽団名ではなく、仮想世界の名前なのである。 巡理は、今回の仕事を最後に十朗とのチーム解散を宣言しており、十朗は不安に苛まれている。さらに、仕事が進むにつれ、通常一つの仮想世界に〈ドリフター〉は一人しか存在しないはずが、この『唯一の交響楽団』では存在する者全員が〈ドリフター〉で、更に〈ドリフター〉自らはその事実を知らないはずが、十朗はステルが、巡理は宮川が、それぞれその事実を知っていると知り愕然とする。 はたして、二人の最後の仕事は、ほんとうに完遂することができるのだろうか。 185000字。完結確約。 【ジャンル】SFミステリ。恋愛有。ハッピーエンドです。

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カクヨム
カクヨム2023/12/01
  • 現在の作品ステルはプラットフォームを降りた