あらすじ

生後3か月の乳児の記憶時間は1週間。 16歳の伊莉亜(いりあ)が記憶していられる時間も1週間だった。毎週月曜日、全てを忘れて覚醒する。 ただし、5歳の時に砂場で一緒に遊んだおない年の従兄妹杏珠(あんじゅ)のことだけは忘れなかった。 伊莉亜は、5歳の杏珠と遊んだ砂場の記憶だけ持って覚醒し、1週間「いつかの今日」に経験したことを繰り返しては、月曜の朝にはすべてを忘れているのだった。 その杏珠は「ギフテッド」だった。6歳でハーバード大学へ入学し、10歳で「物理学」と「経営学」の博士号をとって帰国した。 16歳の彼もまた、6歳の時点で高校の勉強は終わらせている。16歳の彼は、すでに勉強し終わった「いつかの今日」を学校で繰り返しているだけだった。 そんな二人は、「明日を生きる」京子と出会った。忘れ続ける伊莉亜に、京子は「今日を生きた証」を形にして残すことを提案する。 異世界のような「メビウスの輪」の中で過ごす杏珠と伊莉亜の「いつかの今日」が少しずつ変わって来ていた。 16歳のクラスメイトが繰り出すパワーの波に呑み込まれ、杏珠も「いつかの今日」に体験したことがなかった、イレギュラーな滑りまくる日常を経験するようになっていた。16歳の少年らしく過ごし始めた杏珠。「忘れてしまっても生きた証」を残し始めた伊莉亜。 彼らは時の流れの中で、その流れに乗り始めたのだった。

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