あらすじ
「君さえいてくれればもうほかに何もいらない。僕は本気でそう思っているんだ」
「ルーベン様ったら、お上手ですわね♪」
舞踏会の場でそう言葉をかけあうのは、ルーベンとエリアスだ。エリアスが高貴な貴族出身であるという事を知って、ルーベンはこうしてアプローチを始めたのだった。その目的はただひとつ、自分の権力を確固たるものとするために。
しかしそんな考えにうすうす気づいているエリアスは、遠回しに案じの言葉をかける。
「あなたはもうすでにリフォナと婚約しているではありませんか。その関係はいかが成されるのですか?」
全くその気がないのなら、こんな話はせずに真正面からルーベンの誘いを断るものだろう。しかしどこか彼に惹かれた彼女は、彼の返答次第では今後の関係を考えてあげてもいいと思ったのだ。
「ああ、リフォナとの婚約は向こうに強引に決められただけで、僕が本気を出せばいつでも取り消すことができるんだよ。これまで向こうの言いなりになって暇をつぶしていたけれど、本気で婚約をするのならもはや暇つぶしも必要なくなるだろう?その時こそ僕と君が婚約を果たすときだ」
あくまでルーベンは、向こうの方から強引に迫ったものだと主張した。しかしそんなはずがないという事は、誰の目にも明らかだった。社会的な位は圧倒的にルベスの方が上なのだから、リフォナの方が強引な婚約を進めるなど非現実的にもほどがあった。
そのルーベンの答えにがっかりしたエリアスは…