あらすじ
「セレリア、君に来てもらったのは他でもない。君と話がしたくてね」
レンバー王子様と婚約している私は、王国で唯一守護魔法が使える人間だ。その能力を買われ、ただの平民でありながら王子様と婚約することができた。
急に呼び出された理由も、間違いなくそれに関することだろうと思っていた。…しかし彼が次の瞬間発した言葉は、私が想像だにしていないものだった。
「さて、スフィアとも話したんだけれど、君との婚約はやめることにした」
…私の聞き間違いだろうか?一体この人が何を言っているのか、一瞬理解できなかった。…ちなみにスフィアと言うのは、王子の妹君に当たる人物。かねてからこの人はスフィアを溺愛していて、私が婚約者として生活をする上での一番の気がかりがその人物だった。
「…またスフィア様が告げ口をなさったんですか?」
彼女は近年でもまれにみるような性悪女で、私を追い出すためにあの手この手を毎日のように行ってきていた。
「またとはなんだ?彼女があんなに深刻な表情をしているというのに、君は心配もしないのか?…もういい、そんな女なんかと婚約なんてできるものか」
何を開き直ったのか、急に口調が荒っぽくなるレンバー王子。…自分に非があるとは、これっぽちも思ってはいないようだった。
「…私がここをされば守護魔法をつかえる人物はいなくなりますが、それでも」
「うるさいぞ!!」
良心から行った警告を、大声でもってさえぎられる。
「守護魔法くらいで調子に乗るなよ?大体今時そんな魔法必要ないんだよ。今は攻撃魔法の時代だ。どれだけの攻撃力を魔法をもって高めることができるのかを皆が競っているような時代だ。それができないような女に、もとから用などなかったのだ。…やれやれ、こんな簡単なことになぜ気づかなかったのか…自分が恥ずかしくなる…」
この王子につける薬はもはや無いようだった。ならもう好きにすると言い。これから先何が起ころうとも、私には何ら関係などないのだから。