あらすじ

「っ!!」

 バシャァンッ!と、水しぶきの音が部屋の中にこだまする。

「これで少しは反省しろ。あれだけ他の男との会話は禁止だと言ったのに、いう事を聞けないお前が悪いんだからな」

 私の婚約者であるビンセル様が強い口調でそう言い放ち、私の前から姿を消す。

「…」

 私は水浸しになった自分の体を見つめながら、果たして本当に自分に非があったのかと、自問自答していた。

――――

「はぁ…もういい。君との婚約は今をもって終わりにする。これ以上私が何を言っても、どうせ君は聞きもしないのだろうから」

 あれから幾日も経過していないというのに、冷たく私にそう言い放つ。

「…嫌だろう?嫌だろうとも。君には私しかいないのだからな。私から婚約破棄などされたらこれからやってなどいけないだろう?」

 そうか、それが目的なのか。私が泣きつくところを見たくてこんなことを言っている、というのが本性か。

「そうだなぁ…ここで下着姿になって私に土下座をしたら、考え直してやらないこともないぞ?もちろん私が用意した下着に着替えてからやってもらうがな。お前の来ているものは魅力のかけらもない」

 もはや怒りの感情を通り越して、あきれの感情を覚える。…もとより私の意思など関係なく決められたこの婚約、私がこの男に執着する必要などかけらもない。

「分かりました」

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