あらすじ
フランツとリルナは婚約関係にあった。しかしフランツには一人の妹ナナがおり、彼女は二人の婚約を快く思っていなかった。そのために二人の婚約を破棄させるべく、ある行動に出ていたのだった…
「お兄様、またリルナお姉様から嫌がらせをされているのです…私は何度もやめてくださいと言っているのに、邪魔な妹はどこかへ消えろと言いながら本を投げてきたり部屋を荒らしたり…私もう嫌です…」
甘い声でそう兄のフランツに泣きつくナナ。このような光景が繰り広げられているのは今に始まった事ではなく、婚約が成立してからずっとこうだった。ノーアはありもしない事実をもとに、自らを悲劇のヒロインと演出し、それをきっかけとして二人の婚約を取り消しに追い込もうと考えていたのだった。
「そうか、そんなことがあったのか…分かった、彼女には僕の方からきちんと注意をしておこう。それでいいかな?」
「いえ、注意なんて嫌です…私はもう二度とあんな人と顔を合わせたくはないのです。この言葉の意味が、お兄様になら分かってもらえますよね?」
泣きそうな表情を浮かべながら、弱弱しく振舞う彼女の姿を見て、彼はその思いが揺らいだ。最後の手段をとるべきかどうかを、悩んでいるのだ。しかし彼女の事をきちんと心配している彼だからこそ、その手段をとることを選んだ。