あらすじ

「エリーク様、おっしゃっていることの意味がよく分からないのですが…」

 婚約者であるエリークにそう聞き返すルールナ。突然に部屋へと呼び出されたかと思えば、飲み込みようもないようなことを突然に知らされたようだった。そんな彼女に対して、エリークは動揺することもなく冷静に言葉を繰り返す。

「君との婚約は取りやめにすることに決めた。僕には真実の愛を誓い合うべき相手が他にいたんだ。その相手は君ではなく、かねてから幼馴染として共に生きてきたテレシラだったんだ」

 理解などできるはずもない。いきなり真実の愛だの、幼馴染との関係を貫くだの、さらには婚約を破棄するとまで言っているのだから。

「は、話がよく分からないのですが…どうして婚約を破棄する必要が?私に対してかけてくださっていた言葉はすべて嘘だったのですか?」

 ルールナによる当然の反論ながら、彼はどこか機嫌を悪くしたような雰囲気を醸し出した。

「…あまりしつこいと機嫌を悪くするだけだからやめた方が良いぞ?もう決めたんだ。君のような仮り初めの婚約に甘んじるような人物でなく、真に僕を愛してくれる人物と未来を誓い合う。それは極めて普通の事だろう?普通のことを普通に行って何が悪いというんだ?」

 全く自身の行いが突飛なものだとは思ってもいないらしい。そんな状態の彼に何を言ったところで無駄だと思ったのか、ルールナはそれ以上何も言葉を返すことはしなかった。ある一言をのぞいて…

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