あらすじ

「婚約はレイリアと結ぶことで決まりだ。皆の者もそれで話を通してくれ」

 高らかにそう言葉を発したのは、この一帯を統べる権力者であるヴォルク伯爵だ。彼は自らの婚約相手として、天才だと名高いレイリアを選ぶこととした。

「…まぁ当然だよな。姉のソレステラは内気でおとなしく、何も秀でたものを持たないのだというし…」

「ああ、それに比べて妹のレイリアは天才的な頭脳を持つことに加えて明るい性格、容姿も美しという話じゃないか。同じ姉妹とはいえ、これじゃあ勝負にはならないよな」

 伯爵の言葉を聞いて、その臣下の者たちもそれぞれがお互いの感想をこぼした。二人の姉妹の話はこの人々の耳にも入ってきており、伯爵の婚約相手はレイリアであろうという予想が大半であったため、予想通りという声が上がるのは当然の事といえる。

 しかしこの中で、姉妹の真実を見抜いていたのは伯爵のみであり、他の者はレイリアの手の上でおどらされているという事に、気づいてはいないのだった。

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