あらすじ
「どこまで自分の仕事をすることができないのか…こんな役立たずを婚約者に立てた人間の気が知れないな…」
「まったくですね…クヴァイス様の婚約者だという理由だけでこの王宮に上がり込んでいるというのに、それに加えてなんら役割も果たせていないとは…無用の長物とはこのことだ」
そう冷たい言葉を投げられている人物は、クヴァイスの婚約者であるセリアスだ。彼女の力を見抜いたクヴァイスによってこの王宮に召喚された彼女であったものの、彼は真面目な性格であるがゆえに相容れない人物も多く、この二人もまた彼に同調しない二人であった。
「申し訳ありません、次はきちんとしますので…」
セリアスは素直に二人に対してそう言ったのだが、一方で二人は素直に言葉を返しはしない。
「本当にそんな言葉が信じられるのかねぇ…ただでさえあんな男の婚約相手なのだろう?」
「せめてクヴァイスの方が我々に従っているのならその言葉を信じてもいいのだが、あいにくあの男はあんな様子だからなぁ…」
しかしこの時、この二人はもとより王宮にいる多くの人間は気づいていなかった。今の王宮の安寧と繁栄があるのは、他でもないこのセリアスとクヴァイスの力あってこそだという事を…
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