あらすじ

「ミーレス、君にはこの王室を出て行ってもらう事に決めたよ」

 第一王子であるエリンテックは、婚約者であるミーレスにそう冷たく言い放った。

「…婚約破棄という事ですか?」

 うすうすはそうではないかという印象を持っていたミーレスは、特別に驚いたような表情は見せなかった。

「君は聖女の血を引く存在などという嘘をついて、強引にこの王室へと乗り込んできた。その罪は重いぞ?」

 そんな事実など全くない。もともとこの婚約は、婚約という建前を用意したかったエリンテックが適当な理由付けをして行った結果だからだ。彼女には何の意思も持たせないままに、強引な形で婚約者としたのだ。そこに聖女の血を引くなどという嘘を付け加えたのは、他でもないエリンテックの方だった。

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