あらすじ
「君は聖女の血を引く存在などという嘘をついて、強引にこの王室へと乗り込んできた。その罪は重いぞ?」
そんな事実など全くない。もともとこの婚約は、婚約という建前を用意したかったファイアルが適当な理由付けをして行った結果だからだ。彼女には何の意思も持たせないままに、強引な形で婚約者としたのだ。そこに聖女の血を引くなどという嘘を付け加えたのは、他でもないファイアルの方だった。
「罪ですか…それは国外追放という事でよろしいでしょうか?」
どこか意思を固めているような様子のミレステラにやや驚きながらも、ファイアルはその言葉に返事をした。
「分かっているならそれでいい。次期に王室付の正式な通史がもたらされることだろう。それが君をここにとどめる最後の知らせとなる。よくよく噛みしめたまえ」
しかし彼は全く気付いていなかった。彼女は本当にその血に力を宿した特別な存在であったのだ。…それを見逃してしまった後悔を、後に計り知れないほどに痛感することとなる…