あらすじ
「セリーナ、はやく準備しろと言っておいたよな?…なんだなんだ?何か言いたいことがあるなら言ったらいいじゃないか。聞いてやるぞ」
そう高圧的に私に言葉を発するのは、私の婚約者であるリヴァン様。
「いえ…私は何も…おっしゃる通りにさせていただきますので…」
…これでいいんだ。私が我慢すれば、それで済むだけの話。
「くっくっく。素直でよろしい。君が自らやりたいというのだから、仕方がないな」
…何も自由に決めてなどいないのだけれど、あくまで彼からすれば私に自由に決めさせたつもりらしい。
「…私に決めさせていただいて、ありがとうございます」
これも我慢すればいい…私が我慢すればそれで…
「そうだろうそうだろう。私は優しいからな。…ああ、そうそう。明日私は社交会に出て行くから、その準備もしておいてくれ。…いや、嫌なら別にしなくてもいいが…どうだ?」
…私が、我慢すれば…
「喜んでやらせていただきます…ありがとうございます」
――――
そんな生活を送っていた中、ある出来事が起こった。
「セリーナを追い出す??おいおい冗談だろう。あんな便利な女を追い出すだなんて、正気にもほどがあるな」
「いえいえリヴァン様、少し驚かすだけですよ。…いつもいつもつまらない顔をしているんですから、時には刺激が必要でございましょう?」
「くっくっく…そういう事か…確かに面白いかもしれんな…よし分かった、今夜にも伝えてみることにしよう」
なぜだか分からないけれど、偶然にもその会話を耳にした時、私の中で私を呪縛するなにかが崩れ落ちた気がした。
「…私、いままでなんでこんな人たちのために我慢してたんだろう…一方的に私を弄んでいるだけのこんな阿人たち、別に構わなくってもいいんじゃ…」