あらすじ
――セフィア視点――
「セフィア、僕は君と結ばれて本当に幸せだ」
「レック様、私も同感ですわ。…私たちを結び付けてくれたライナお姉様には、心から感謝しなければなりませんわね」
これは、家を飛び出す直前に私たちが交わした会話だ。もともとは彼は私の義理の姉であるライナと婚約していた。…しかし根暗で内気な彼女は彼を満足させることはできず、関係は良好とは言えなかった。そこで私は隙を見てレックに近づき、ものの見事に彼の心をつかむことに成功した。そういう意味では、私は本当に彼女に感謝している。
「ここに残っていても厄介な女がいますし、いっそ遠方の地へ飛び立ちましょう♪」
――ライナ視点――
「…あら、久しぶりじゃない。…あなたたちが勝手に家を飛び出して行ってから、もうすぐ1年かしら?」
…内心では出て行ってくれてありがたかったのだけれど、この二人はどういう神経をしているのか戻ってきた。
「だって、私たちは家族ではありませんか♪いつでも戻ってきますわよ」
「そうだよライナ。家族なんだから」
「…」
…私が聖女の血をひくと発覚した、まさにその数日後の出来事だった。
――――
「聞きましたわよお姉様、聖女の血をひいているらしいではありませんか。…ああ、今日ほど私たちが本当の姉妹でないことを呪った日はありませんわ」
「聖女か…その力を使えば、僕たちの生活はより楽になるんじゃないか…?美味しいものだってたくさん食べられるし、遠くにだって簡単に行けるかもしれない…」
…なにやら夢見ている二人に、私はありのままの現実を伝える。