あらすじ
「お姉様、恨まないでくださいませ?私はお姉様のためを思ってオルガ様との婚約を辞退したのですから」
姉であるアリアに対し、私はそう言葉を告げる。オルガはもともと私が狙っていた男だったものの、私が目をつけるほど魅力を持たないという事が判明した。そのまま彼との婚約を破棄してもよかったのだけれど、それでは面白みに欠ける。…故に私は、姉であるアリアにその婚約を押し付けることにしたのだ。
「オルガ様もお喜びのようですし、ウィンウィンでございますよね。私は新たな殿方を探しに行けるし、お姉様は彼と輝かしい未来をつかむことができる…」
…まあ、あんな男が相手では輝かしい未来なんてつかめるはずもないだろうけど。
――――
そんな考えをもって婚約を押し付けたのが、今から1か月前の事。その背景が今、覆されようとしていた。
「…オルガが…一帯の権力者の息子…??」
…私にそんなことを何にも告げていなかったという事は、私との婚約は本気ではなかった、という事…!?一方でアリアにはその事実をすぐに告げたという事は、私にない魅力を彼女には感じていたという事…!?
「どういう事よ…どう言うつもりよっ!?!?」
意味不明なその展開に、苛立ちを覚えずにはいられなかった。