あらすじ

「まぁ仕方がないんだよ。もともとこの婚約は仮の物なんだから、こういう事態は想定済みだろう?」

 仮のものなど初めて聞いた、という表情を浮かべるセフィーナをよそに、フューゲルはある別の書類に夢中な様子だった。

「さて…このエミリーもかわいいな…しかしスタイルでいうとこのレミリーナも捨てがたい…」

 そこから察するに彼は、次の婚約者候補として自分よりも気に入った存在が見つかったためにこのような行動に出たのだろう。それを察しはセフィーナは特に反論などはせず、素直に婚約破棄を受け入れたのだった。
 しかし、フューゲルはこの時の行いを今になって死ぬほど後悔している。というのもセフィーナはもともと、辺境の地出身の平民女という名目で連れてこられていた。だからこそ邪険に扱う事もあり、今回のように一方的に捨ててしまうような扱いもあった。…しかしその実彼女の正体は、貴族家の頂点に立つアイリック上級公爵のご令嬢であったのだ…!

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