あらすじ
「マルシス様、以前お話されていたことと違うのでは…以前は確かにこちらを…」
私が努めて冷静に説得を試みるものの、彼の表情には反省のかけらもなかった。
「仕方がないじゃないか。突然にミナカから会いたいと連絡があったんだ。あんなに可愛らしい女性からアプローチを受けて、それに答えないというのは男のすることではないだろう?」
ミナカというのは、この人と付き合いの長い幼馴染の女性である。彼は何をするにも彼女の事を中心に考えていた。
そんな彼女ではなく私と婚約をすることになったのは、自分が婚約した時のミナカの反応を見たかった、ただそれだけだという。私はそのために半ば強引にここへと連れてこられたのだった。
そしてなにか気に入らないことがあれば彼は決まって…