あらすじ
捨てられ、忘れられた数々の思い出が眠る【オモイデ屋】。 不死の血が生んだ妖魔が眠る【黄昏庭園】。 【オモイデ】と【黄昏】が混じり合い、呼び寄せる悲しみは絶望だけなのか—— 都筑颯太は学校帰りに兄・郁人が働く古物商店【オモイデ屋】に向かう。郁人が大学を辞め、働くことを決めた理由を知るために。 【オモイデ屋】に向かう途中、颯太は奇妙な青年とすれ違う。 長く白い髪と端正な顔立ち。 黒い眼帯と頬にある生々しい傷痕が語る不気味さと物悲しさ。 その姿から颯太が感じ取ったのは、愛読する小説【黄昏の慟哭】に登場する不死の死神リオンのイメージだった。 【黄昏の慟哭】 それは死神リオンと人間マリーの繋がりと別れのドラマが描かれた物語。 人になることを願い、自らの翼を斬り落としたリオン。 願い叶わず消滅したリオンと、病に蝕まれ息絶えたマリー。 青年の名は霧島貴音。 彼の正体は【黄昏の慟哭】の作者ダークティアラ。 彼が手放したノートを手に入れた颯太は、【黄昏の慟哭】が生まれた背景に興味を持ち始める。 ノート書かれていたリオンの嘆きの背景と、創造を司る天使リリスが生み出した不死の人間の存在。 クラスメイト、野田清也の不登校の転校生・霧島雪斗に絡む妙な提案をきっかけに、颯太はリオンとマリーが過去に存在していたことを知る。 【思い出の図書館】が颯太に与える喜びと悲しみのひと時。 不死の人間を生み出した天使リリスの思惑と彼女に訪れる悲劇。 天界に眠る神と呼ばれる者。 それが天使と死神に不死の命を与えたのは何故なのか。 巡り会う人物と世界の中、颯太は霧島貴音と出会い知る。 リオンが翼を斬り落とし、貴音が自らを傷つけた【黄昏庭園】に眠る、不死の血から生まれた妖魔の存在を。 妖魔が颯太と貴音に、呼び与えるものは。 そして、リオンとマリーの悲しい別れから紡がれだしていく未来への繋がりと想い。 長い時を巡るリオンとマリーの繋がりと、幸せと悲しみが交差し紡がれる先にあるものは…… 《登場人物》 都筑颯太(つづきそうた) 物語の主人公。 人付き合いが苦手な高校1年生。 三上理沙(みかみりさ) 颯太のクラスメイト。 揚げ物を売る店【三上屋】のひとり娘。 都筑郁人(つづきふみと) 颯太の兄。 古物商店【オモイデ屋】の店員。 和嶋時雨(わじましぐれ) 古物商店【オモイデ屋】の店主を務める老人。 彼がかけるひび割れた眼鏡が意味するものは…… 風丸(かぜまる) 古物商店【オモイデ屋】で飼われている黒猫。 靴下を履いたような真っ白なうしろ足がチャームポイント。 霧島貴音(きりしまたかね) 颯太が愛読する小説【黄昏の慟哭】の作者(ダークティアラ)。 彼が秘める苦しみと悲しみの背景とは…… 霧島雪斗(きりしまゆきと) 貴音の義理の弟。 人付き合いを恐れる臆病な少年。 夢道美結(むどうみゆ) 霧島邸に仕える召使い。 貴音を慕う彼女の願いと正体とは…… 死神リオン 不死の命と黒い翼を持つ。 人となる願いを秘め、自らの翼を斬り落とした死神。 残された彼の翼から不死の人間が生まれることとなる。 マリー 人には見えざるものが見えた女性。 死神リオンと理解しあい、過去に息絶えた人物だが…… 創造の天使リリス リオンの翼から不死の人間を生みだした。 彼女の思惑と秘められた想いとは…… ユウナ 颯太が夢を媒介に訪れる【思い出の図書館】の管理人。 貴族服を好む男装の少女。 高飛車な振る舞いがハムスター集団を恐れさせるが、隠された優しさを持っている。 ピケ(ハムスター) 【思い出の図書館】で働くハムスター集団のリーダー格。 ズレる眼鏡がチャームポイントのがんばり屋。