あらすじ
「婚約も考え直さないといけないか。そうなってしまっては君も嫌だろう?せっかくこの私と婚約を結べたというのに、それを手放すようなことになってしまっては」
自分に自信が大いにあるゼクロスは、これまでのその様な発言を繰り返していた。あくまで立場は自分の方が上にあるという考えを変えることはなく、口調の高圧的な様子を崩さない。そんな彼の放った言葉が、今後の運命を大きく変えることになる。
「そんなことがなぜわかるかって?簡単なことだ。私との婚約を好んでいないのなら、もうどこかへ君は消えていることだろう。しかし今に至るまでそれをしていない、私の隣に居続けている。それは間違いなく、心の奥底ではこの婚約を望んでいる、そうに決まっているだろう?」
どこかエルスティにはっぱをかけるようなその言葉。彼は単に自分の自己顕示欲のままに彼女を言いなりにするべく言った事だったのだが、この言葉が後に大きく響くことになる。