Synopsis
古の惡童鬼、鬼弥呼の力を我が物にせんと御魂となって生き永らえてきた邪な念を持った宮司、神酒剛健。鬼弥呼のみならず最恐最惡の鬼、蛇鬼の力もわが身に取り込み、邪悪な鬼『黒鬼』となった。その惡力は蛇鬼をも凌駕する程だった。黒鬼はその悪力で蛇鬼の悲願だった『日ノ本を滅ぼし惡の巣窟にする』をその手で叶えようとした。
しかしそれに立ちはだかったのは、かつて蛇鬼を祓った東城舞美の孫娘、青井優。そして舞美と共に蛇鬼と対峙した強力な神氣を持ち主、氷と雷を操る宮司の御魂、嫗千里乃守(おうなせんりのかみ)。そして青井優の血縁、火焔の纏を纏う井桁舞。この三人の活躍により見事、黒鬼を打ち祓う事が出来た。
時は流れ、第参章の舞台は某県榊市。主人公の名は、街道場『神武館』の館長、神舞(旧姓井桁舞)の娘、神一縷(じんいちる)。古の神守、東城家の血筋を受け継ぐ小学生。
五年生になると神家門外不出の神器『櫻嘩の指輪』密かに持ち出し、下級妖者を祓う人助けを始めた。そして六年生になり母は、一縷に正式に指輪を託す事決める。
中学生となったある日、学校から帰ると火焔の纏を纏った母親が猿面を付け白装束姿の宮司と争っていた。その者は、一縷に気付くと短刀を振りかざし斬り掛かってきた。その時、母親が一縷を庇い斬られてしまう。母親は、最後の力でその者を吹き飛ばし『逃げて…一縷』と言い残し絶命してしまう。
道場に逃げ込んだ一縷は物陰に隠れるもすぐに見つかり、刀を突きつけられ問われる。
『月下の半刀……何処に隠した?』
『知らないっ!そんなの知らないっ!』
『ならば死ね……』
そう言いながら刀を振り上げる宮司。そこへ絶命したはずの母親が現れ、強力な術で謎の宮司を追い払う。その身体には、絶命した母の代わりに嫗めぐみの御魂が宿っていたのだった。
呆然とする一縷、その時、暗闇の中に鶏面を付けた宮司が現れる。
一縷を抱き寄せ構える母、しかし鶏面の宮司は……
『月姫を……月下の刀…で……どうか……お守りくださいませ……』
そう言い残し、頭(こうべ)を垂れながら暗闇の中に消えていった。
突如現れた謎の宮司達、そして月姫とはいったい何者なのか。謎多き月姫と月下の刀をめぐり、纏物語、第参章がここに始まる。
そして……絶命した母、舞の身体の中で目覚めた…嫗めぐみに、一縷は心を開くのであろうか……。
Serialization Info
Web Novel